ある時ある場所で僕のデザインした物をもってる人がいた。
それはクラフト紙で作られているショッピングバッグだった。
何年も前にショッピングバッグのデザインの依頼を初めて任された。
ショッピングバッグのデザインをリニューアルしたいという希望を聞いてから、
当時在籍していたデザイン事務所の方々にお願いして家にあるショッピングバッグを持ってきて欲しいと頼んだ。
サンプルとして集められたショッピングバッグは形や素材に印刷方法も多様だった。
オリジナルのデザインを参考にまず形のデザインから始めた。
三つのサイズを作るにあたって他のサンプルと見比べながら定規を使って
サイズを微調整しながら何個もデザイン案を作りお客様にプレゼンした。
すると、サイズは今までどおりでいいから印刷する部分をデザインしてほしいと頼まれた。
Macに入っている欧文フォントでロゴタイプのデザインからはじめた。
ロゴタイプの変更は僕のアドリブだったが厳選した中から一つをロゴタイプに選定した。
ロゴタイプをショッピングバッグのどこにいれるか何度も原寸でプリントアウトして
近くで見るとどう見えるか?遠くで見るとどういう風に見えるか?
このへんに時間をかけた。そしてお客様にどうやってプレゼンすればいいのか考えた。
一番考えないといけないのは最終的にそのショッピングバッグを受け取る人の事だ。
もしそのショッピングバッグを気に入ってくたら、歩く広告となる。
そして時は流れて何年か後に若い女の子がそのショッピングバッグを使ってくれていた。
茶色いクラフト紙に茶色に印刷されたロゴタイプは輝いて見えた。